人を育てるトヨタの口ぐせ(第4章)

〔今日はON〕

さて、昨日の続きです。

トヨタの口ぐせ

トヨタの口ぐせ


今日は第4章

第4章『問題』を解決するトヨタの口ぐせ

20 マルを描いて立ってろ

動いてしまうから見えない。動かずに見るとムダが見えてくる。
モノや工程についてしっかり的を絞り、ある一点から見る。すると、無駄な動きが見えてくる。
「動いている」=「仕事している」という思い込みを正す。
チョークでマルを描いて立ってみる。
日ごろ見えなかった問題点が見えてきます。それを見つけるのがあなたたち管理監督者の仕事です。
マルを描いて30分立ったら、会議室に移ってディスカッション。
『「動いてしまう」から見えないこともある。「動かず」に的を絞ってみると、見えてくるものがある。』

21 モグラがよく出るとことからまず手をつけなさい

トヨタでは「修理」と「修繕」の違いをはっきりさせている。
「修繕」は繕うだけ。機械が故障した説きは、応急措置だけ施してすぐに動かしてしまう。
真因(故障の真の原因)を潰していないから、故障はすぐに再発する。
モグラがいったんは引っ込んだとしても、すぐに出てくる。
「修理」とは、真因を取り除いて、二度と同じ故障が起こらないようにすることをいう。
だから、不具合が出たら、その機械を徹底的に「修理」してくださいと指導している。
「何を最初に解決すべきか」が、わかっていないといけない。
問題が発生した時は、その原因を根本から取り除く。それも問題に優先順位をつけ、優先度の高いものから取り組む。
これは生産現場だけに限らず、あらゆる仕事に共通することだ。
『何回も出てくる不具合から、真っ先に潰していく。そして「修繕」ではなく「修理」をする。』

22 データで仕事しよう、ワーストから潰そう

現状を洗い出し、データを分析する。それが問題解決の基本です。
ワーストから潰すことを考える。ただし、重要度・緊急度の高いものから潰す。
『勘と経験と知識だけでは、うまくいかない。データに基づく正しいやり方で、問題を解決する。』

23 真因を探せ

問題が起きる。「要因」をあげる、「真因」はどれかを探す。
問題解決方法『4M』
MAN(人)
MACHINE(機械)
MATERIAL(材料)
METHOD(方法)
この中で、一番簡単なのはMAN(人)に注目してみること。
不良品の発生を再現することで、真因を探す。
考えられる要因をもとにして、不良品をもう一回、同じように作ってみるのです。
それで不良品の発生を再現できたら、それが真因だとわかります。
『なぜ、その問題が起きているのか。いくつかの「要因」をあげ、そこから「真因」を見つける』

24 カイゼンは巧遅より拙速

どんなに優秀で人望がある人でも、行動が遅ければ評価されない。
「巧遅」とは、考え方はいいが時間がかかることをいう。
荒削りでも、思いつきでもいいから、とにかく速くやる。
トヨタでは、改善はそうあるべき、と捉えていました。
階段一段でもいいから、とにかく先に踏み出しましょう。
『「もっといい方法を見つけてから・・・」よりも「思いついたらまずはやってみる」のほうが道は開ける。』